
ホームページでよく見かける自費義歯のページでは、義歯や口の写真をたくさん貼って、この義歯がどれだけいいものか、どれくらい精密か、素材は何で、値段はいくら、保障期間はどれくらい…ということを延々と書いています。(先生のホームページではいかがですか?)
義歯にもいろいろな種類があって、どの義歯が自分に合うのか、費用との兼ね合いもあって患者さんは非常に迷うと思います。先生が自費の義歯をおすすめしても、結局保険の義歯に落ち着いてしまう患者さんが多いのは、自費の義歯にすることで、人生がどんな風に良くなるのかが伝わっていないからです。患者さんが今の義歯でどんなことに困っているかをまず知って、自費の義歯で患者さんの悩みが解決することを伝えてください。
その自費の義歯がどんな素材でできていて、見た目がどんな感じで、どれくらい精密で、いくらかかるのか、保証がつくのか…といった情報は、すでに自費義歯が選択肢に上がっている人、自費義歯にしようと決めている人、あるいは、自費義歯を知っている人向けの情報です。
歯にお金をかける習慣のないほとんどの患者さんは、自費義歯が選択肢に上がっていません。そういった患者さんには、自費義歯の詳しい情報以前に、自費義歯にすることで人生がどんな風に明るく、良くなるかということを伝えてください。
患者さんは、入れ歯が合わなくて痛いとか、違和感があるとか、外れやすいので友達と食事できないとか、孫に笑われたことがトラウマになってしまったとか、いろいろな思いを抱えています。
年を取って入れ歯になっても、快適に過ごしたい、若く見られたい、気兼ねなく食事や旅行をしたいといった欲求を患者さんは持っています。先生がおすすめする自費の義歯で、それらが叶うことをしっかりと伝えてください。
先生には、義歯を通して患者さんと心が通い合ったやり取りや、患者さんの笑顔を見れた幸せを感じたご経験が必ずおありだと思います。患者さんの心に響くのは、そういったストーリーなのです。患者さんは決して、義歯の素材や値段ばかりで自費義歯にすることを決断しているわけではありません。
「自費の義歯にすることで、人生が明るく楽しくなりそうだ」「この先生に、自分の義歯を作ってほしい」「この先生なら、信頼してお任せできる」。そう思っていただくこと。義歯の詳しい情報を載せる前に大切なのは、患者さんの信頼を得ることなのです。



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