先生が矯正専門で開業されている場合、一般歯科からの紹介で患者さんが来院される率が高いかもしれません。しかし、一般歯科でも矯正を始める先生が増えているため紹介の数が減っていますし、今後は保険の点数も下がり、矯正専門の先生としては厳しい状況になっていくでしょう。これからは紹介の患者さん数を増やすことではなく、自力で患者さんを集めることに注力してください。
先生が一般歯科で矯正の患者さんを増やしたいとお考えの場合、今はむし歯で通院しているけれど、潜在的に歯並びをきれいにしたいと思っている患者さんは多いはずです。一般歯科の定期的なPMTCをきっかけに、「見た目の美しさだけではない、むし歯や歯周病を予防する矯正歯科」、「かみ合わせを正しくし、全身の健康にも考慮する矯正歯科」といった観点から、患者さんの矯正への意識を高めることがポイントになります。
矯正歯科では、例えばインプラントのように患者さんにとって新奇な治療法をすすめるわけではありません。大抵、患者さん側に「矯正をしたい」という希望がもともとありますし、今痛くて困っているわけではないので、歯科医院に行く前に時間をかけてじっくりインターネットなどで多くの情報を集めています。
そんな、矯正の知識レベルが高い患者さんが見に来る先生のホームページに、どんな情報を載せたらいいと思いますか?矯正のあらましや症例、治療例、治療の進め方、支払い方法、Q&A…などでしょうか。でも、これらの情報は、他のホームページでも簡単に得られます。これでは先生がホームページを持ってもどんぐりの背比べです。
たくさんある歯科医院の中で、「この先生にぜひ矯正をお願いしたい!」と患者さんに思われるために何が必要か。それは、他の医院との圧倒的な違いと、先生が持つ矯正治療への情熱と信念です。
患者さんが知りたいのは矯正歯科の基本的な情報ではなく、その先にある「自分の未来を、この先生が明るくしてくれるかどうか」ということです。矯正は高価な治療です。より美しく、より快適な生活を送るための自分への投資、という前向きなお金を患者さんは使うわけですから、先生は、患者さんに安心感を与えることに全力を尽くしてください。
歯並びが悪くて笑顔になることに憂鬱な気持ちを抱えていた患者さんが、楽しいときに心から笑顔になることができる。そんな体験をした患者さんの声を載せること、矯正治療で歯並びがきれいになったら、次に「ホワイトニング」というより美しくなれる道があることを伝えること、PMTCできれいな歯、むし歯のない歯を保っていただくこと等々、先生は患者さんの未来を明るく照らすことができます。
そして何よりも、患者さんの人生が大きく変わる瞬間に立ち会えることに先生が歯科医としての喜びと誇りを感じているのでしたら、そのことを先生の言葉で患者さんに伝えてください。
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