
先生がホームページを作ろうとしている、あるいはすでにホームページを持っている大きな理由はこれではないでしょうか。
医院を開けておけば新しい患者さんが集まる時代はとうの昔に終わってしまいました。今までタウンページや看板にしか医院の情報を出していなかった先生がホームページを持てば、「インターネットをする層の人たち」が新しく患者さんになる可能性が開けます。
それは素晴らしい!さっそくホームページを持とう!
となったところで、先生、ホームページに何を載せますか?
とりあえず医院の住所と電話番号、地図もあったら親切かな。診療科目を載せて、院内の写真とか、院長の経歴や肩書きなんかも書いておいたら安心してもらえるかもしれない。あっ、そういえば症例写真がいっぱいあるから、とりあえずたくさん歯の写真を並べておこう!治療については、他の歯科医と同じように普通の治療を普通にやっているだけだし、取り立てて書くこともない気がする…。
どうでしょうか。先生、想像してみてください。
楽しそうなホームページになりそうですか?先生や医院のことを全く知らない患者さんになったつもりで見たときに、「ぜひこの医院に行きたい!」と思えるホームページになりそうですか?
先ほど挙げた項目は、いわゆる「医院案内」の内容です。普通のホームページ制作会社に頼むと、おそらくこの体裁に多少バリエーションがあるくらいで、患者さんがぜひ行きたい!と思うようなホームページにはなりません。
先生が例えば車を買うときのことを考えてみてください。
車がほしいなあと思ってパンフレットを眺めるとき、最後のページの車幅や排気量から見始めますか?そうではありませんよね。最初のページからめくって、背景に溶け込む車のボディを見、それに乗っている自分の姿と自分の生活を想像し、未来に思いをはせて、だんだんとほしい気持ちが高まっていくと思います。車の重量がいくつか、ガソリンがハイオクかレギュラーか、販売店はどこにあるか、保証期間はいつまでか、オプションは何でそれぞれいくらか…そんなことは、この車を買おうと決めた後に必要な情報です。そんな情報が、パンフレットの最初のページにあったら興ざめですよね。
先生のホームページは、そんな構造になってしまっていませんか?

先生がそう願っているのでしたら、新しい患者さんが行きたくなるようなホームページを作ればいい。ただそれだけのことです。
もう一度言いますが、医院案内のホームページでは、患者さんは来てくれません。患者さんが本当にほしがっている情報は医院案内ではなく、先生がどんな人で、どんな治療をしていて、信頼に足るかどうか、ということなのです。
ホームページを見た新しい患者さんに来院してほしいと願うのでしたら、先生や医院のことをまだ知らない人が見たときに、「この医院に行ってみたい!」「この先生の治療を受けたい!」と思わせるホームページを作らなくてはいけません。
普通にホームページを作ると、最初のページには医院の写真を載せて、ありきたりの挨拶に、住所、電話番号、ちょっと親切に地図を付けてみたりして、診療内容の一覧、診療時間などが載っています。ホームページってそういうものだと思っているから、誰も疑いを持ちません。(ほとんどの先生方がそうですし、また、ホームページ制作会社もほとんどがこういった認識です。)
でも、このようなホームページは、いわゆる医院案内です。
一般企業の会社案内を見てその会社の商品を買う気になれないのと同じで、医院案内のホームページを見ても、先生の医院は患者さんには選ばれません。
ただでさえ競合の多い業界です。先生の医院が市内に1軒しかない歯科医院なら話は別ですが、「他の歯科医院と違う!他の歯科医院より良さそう!」と思ってもらえなければ、新しい患者さんは来てくれません。
「他の歯科医院と違う!他の歯科医院より良さそう!」と思ってもらいたければ、他の歯科医院と同じ事をしていてはダメです。ホームページの役割は、医院の案内をすることではありません。(医院案内の内容は、患者さんが「この医院に行こう」と決めた後です。)
ホームページから新しい患者さんを集めたければ、「先生の医院に行けば、なんだか自分が良くなりそう」と思わせるのが一番大事なポイントです。新しい医院を選ぶとき、患者さんはより良い医院を探しています。ホームページの一番の役割は、患者さんに安心感と信頼感を与えること。医院案内の情報が必要になるのは、その後です。この順番を間違えてしまうと、ホームページから患者さんが思うように集まりません。



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